屋久島“つながる”リトリート・2日目 魂の願いとつながり、生きる

屋久島“つながる”リトリート2日目。

1日目のことはこちらに書きました。

 

今回は、未来の存在である子どもたちを含めたリトリート。学びの場でありながら、NVCをベースとしたコミュニティとして暮らす実践、実験の場。

朝の時間に、ある子どもから、大きな画面で映画を見たいから、テレビがある部屋に移動したい。と、リクエストがあった。

1日目のエネルギーが残る、整えられた空間で2日目のコミュニティタイムに入りたかったので、変更することに心が揺らいだ。

けれど、子どもがリクエストしてくれたその声を、大切に受けとりたかったし、コミュニティが子供のニーズを含めるために、動いてゆく流れに着いてゆくことにした。チャレンジだった。

“大人たちの学びを大切にしながらも、子どもたちをどう場に含めるのか” 

コミュニティでつねに模索していた。

場所を変える。

テレビがあるのは少し離れた場所で、音は小さくしてくれたものの、耳に入ってくる音と、視界に入るあらゆる物が気になった。

テレビのない暮らしをしていると、テレビを見る人よりももっと音に繊細になる。

 

「落ち着かないと感じているわたしは何を大切にしているのだろう・・・」 

わたしの中から聴こえてきた声は

そこにいる人の心理的な安全を守りたい。

場の深まりを促し、ひとりでは行けない領域へと、ガイドしたい。

そして、なにより、大切な人が勇気を持って、場に置いてくれる、繊細な声を、心をこめて聴きたい。

そんな願いだった。

そのために、静寂のある、整頓された、うつくしい空間を用意したい。 

自分が大切にしていることに、あらためてつながることができた。
 

そして同時に、一緒にくる子どもたちも楽しめるようなプログラムにできないか。

奥底にある夢が、顔を出した。

カリフォルニアで体験したBay NVCのリーダーシッププログラムでは、大人のプログラムと同時に子供たちのプログラムが用意されていた。

コミュニティの人々が尊敬できる大人が、子どもたちをホールドし、親たちは安心してゆだね、学ぶ。

子どもたちは遊びながら、とても自然な流れで、学び、導かれている。

そんな光景を、少し、描くことができた。

お昼ご飯の時間に、いつか行ってみたい。と思っていた、タイのプラムヴィレッジ(ティクナットハンの教えに従ったマインドフルネスの修行を体験することができるリトリート・センター)へ行ってきたという参加者の話を聞くことができた。 

プラムヴィレッジの僧侶の方たちが、円になってごはんを食べる“食べる瞑想”の姿が、とても美しかったこと。

僧侶の方々の瞳が、慈愛に満ちていて、うつくしく輝いていたこと。

彼らの存在が、『愛そのものだ』と感じたこと。

まっすぐに相手を見つめる彼女の瞳が、とてもうつくしいなぁ。と、思っていたのだけれど、その話を聞いて納得した。

プラムヴィレッジの僧侶たちは、相手の瞳を見つめることで、存在そのもので、愛を贈り、彼女は受け取った。

愛の循環のなかに、彼女もいたのだ。

 

相手の存在の全てを許すような愛の瞳で見つめる人がいる。

ハグをするだけで、人を癒やし、思いやりと愛が伝わってくる存在がいる。

『わたしも、そう在りたい』

大事なことを思いだす時間となった。

この日の学びの中心は、『最高価値ワーク』

日常で無意識に選択している、どの選択の根っこにも、自分の「最も大切にしている価値観」がある。それに気づくプロセス。

最高価値は“わたしのいのち”が、願うもの。

人によっては、使命のような感じがするだろうし、魂の願い、とも言えるかもしれない。

わたしは、人の内側の広大さや、深遠さや、うつくしさを垣間見ることのできる、このプロセスを、アシストするのがだいすきだ。

 

どれだけ一緒にいる期間が長い仲間であっても、家族であっても、

相手の内側の全ては、分かりようがないくらい果てしなく広く、深遠なのだ。

 

そして、その人の感覚や価値観の体系は、ひとりひとりが驚くほど、全く違う。その人しか持ち得ない、うつくしく、力強い輝き。

もしかしたらこの輝きの多様さを、“個性”と、いうのかもしれない。

 

最高価値のワークは、頭も使いながら、互いに支え合いながら、とても時間をかけて自分と向きあう。

その末に出会える自分の魂の願い。

まるでお産のようなプロセス。

ある女性は、コミュニティの女性たちが見守るなかでたどり着いた。

 

『愛に動かされて生きたいんだ・・・』

その一言をつぶやき、涙を溢れさせた彼女が、ほんとうにうつくしかった。

  

この記事を書いた人

Sakiko
Sakiko
ひとつまみの希望 主宰 oiwai.life

1990年、鹿児島・薩摩川内市生まれ。高校卒業後、リラクゼーションサロンに勤務。ボディケアを提供するなかで「こんなにも多くの人が疲れているのはなぜだろう?」「人の根源的な癒しは、どうやったら起こるのだろう?」という問いを抱く。

6年間勤めた後「食・暮らし・コミュニティ・社会のシステム」が人に与える影響の探求をはじめ、「人と人とのつながりを大切にする対話法・NVC(非暴力コミュニケーション)」と出会う。
その学びの中で、先住民の叡智をくんだ「 “女性のための集い”・ウーマンズサークル」で起きた癒しとエンパワーに可能性を感じ、霧島市でウーマンズサークルをひらく。

学びの活動は夫婦で共にし、
1週間規模のNVC合宿にも複数携わる。その他、食や暮らしにまつわるワークショップを主催している。

現在、霧島・小浜にある古民家を改修し、「星の家」と名付け、ワークショップの企画や、対話の場、NVCのワークショップを開催している。


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