
人との関わり。
家族、友人、仲間、仕事、
様々な場面で、多様なコミュニケーションが、日々起こっています。
“これまで通りの型”でうまくいく“ 普通の”やりとり。
発見・探求のある豊かな対話。
そして、「相手とこの先に進むことが困難に感じられる」、“難しい関わりの場面” 。
大切な人なのにうまくつながれなかったり、
どんなに丁寧に説明しても届かなかったり、
どんなに聞こうとしても、相手が言っていることが受け入れられなかったり。
“共に歩めるはずの自分と相手” の妨げになっているのは、
「こういうときは、こうするもの」と、お互いが持っている “当たり前” が、大きく違ったり、微細に違うことや、
今、この瞬間もこうして使っている “言語の体系” 自体が、
「どちらかが正しく、どちらかは間違っている」
を導く構造になっていることも、たくさんの要素のひとつだと思っています。
私たちひとりひとりが、
それぞれが受けた教育・社会経験の中で、
それぞれに大きく異なる “内なる体験” を積み重ねてきたにも関わらず、
「みんなが同じ“常識”を持っていて、自分はその常識の通りにしているだけで、相手が常識から外れているんだ」
と思ってしまいやすいことも、“難しい関わりの場面” を社会に増やしているのだと思います。
長い、長い間に築かれてきたこの構造ですが、
これまで通りとは異なる “構造” と “意識” について、
先人たちから続くいくつもの “探求と実践” がされています。
その “探求と実践” のひとつが、
「お互いに、少しずつ違う、ときには大きく異なる “当たり前” があることを前提に、理解しつながり合おうとする世界観と、そのための資質」、
そして、
「 “どちらにも、譲れる類いのものではない、大事なこと” があるのだということをホールドし、その両方を大切にできる方法を探す知性と実践」、
NVC(非暴力コミュニケーション)です。
NVCは、
創始者のマーシャル・ローゼンバーグさんが、
ユダヤ人の彼がアメリカ・デトロイトで育つ中、
人は、
「人を殺す(肉体的に、あるいは精神的に)ほどに暴力的になれる」
一方で、
「見返りのない、深い思いやりを持ち、その実践ができる」。
これは一体、どういうことなのだろう?
と心に抱いた疑問から、
古今、東西の知恵を訪ね、
ガンジーやキング牧師らの “非暴力” の思想と実践とともに体系化した、
人と人との間に「自然な生命の分かち合い」が生まれることを願う、世界観と実践の方法です。
人間や、その集まりであるコミュニティの、
無限の可能性の発揮と、無限の領域の探求を扱うための、
ひとつの体系であり、実践として行動に移すための充実のツールでもあり、
自身の内側・他者の内側と共感・共鳴することを通して、
自分の中で “現実認識のシフト” が起こり、
相手と解決的作用をしても、しなくても、状況を多様な意味で前進させ得るものだと思っています。
具体的に適用できる場面はたくさんありますが、
例えば「機能する、意味を成すフィードバック」を伝えるときにNVCの学びがどうはたらくかというと、
・起きていることの “事実” と “解釈” を分けて扱い、伝える(観察)
・自分の感情(例えば怒り、焦り)の世話をしホールドするとともに、相手の感情へのケアを向ける(感情)
・ベースとしての “人間への信頼”、お互いに大事なことがあることを知っていて、大切にしようとするあり方と表出(ニーズ)
・相手に採用してほしい行動を、具体的な実行可能な提案として伝え、かつ、相手がそれとは異なる方法を望む可能性を受け入れる準備があること(リクエスト)
・相手との間に、無意識に生まれる “力関係・構造” の理解と、それを意識したあり方・言葉の選び方(Power with)
※( )内はNVCの用語
などが一部として挙げられます。
もちろんNVC以外の体系が効果的なこともあるので、併せて活用するのが良いように感じています。
例えばこの他にも、
「 “相手とのこれから” へのビジョンの解像度の高さ」
「そこに一緒に行くための思考の濃度と、全部を包み込む愛」
みたいなものもあると思います。
こういった大切なことの質を高めるのにも、NVCが役に立つと実感しています。
今回扱いたい内容は、
このNVCの “基礎をおさえる” ことを意図し、2日間で以下の内容を扱います。
・世界の見方:懲罰的な世界観と、修復的な世界観
・NVCの目的と、3つの意図(NVCが目指す世界)
・NVCの4つの要素の理解(観察・感情・ニーズ・リクエスト)
・NVCでいう“共感”の理解(“共感”が指す行為、自己共感、他者共感)
・「共感ではないもの」の理解
・共感の実践(他者と共感的に共に在ること、他者からの共感を受け取ること)
また、基礎をおさえた上で、「実社会で活きている」状態をつくりたいので、2日間を終えた後、4週間の事後プログラムも走らせたいと思います。
参加を強くおすすめしますが、もちろん任意でのご参加でどうぞ。
(事後プログラムへの参加は、基本の参加費の中に含まれます)
この形にするのは、新しい言語、スポーツ、音楽を習得するのと同じように、練習・実践が必要だからです。
やってみて、失敗して、改善してまた試みて、
うまくいくことがあり、うまくいかないことがまたあって、という繰り返し。
“生き物が何かをできるようになる” プロセスはこういうものなのだと思います。
失敗は「うまく行かない方法が分かった」という発見であり、前進のひとつ。
その試みをするためのデザインとして、4週間の事後プログラム、よければご一緒しましょう。
学びのリードは、
3月開催の「NVCを組織にもたらし、実社会で変化を生む」“NVC at WORK” 企画のオーガナイザー、
石川世太がさせていただきます。

今回は「NVCの基礎」をベースに、実社会・既存のシステムの言葉・概念との結びつきや、
新しい組織概念との位置関係を添えるなど、ビジネス文脈からも “NVCの価値” がわかりやすいようなデザインでお届けしたいと思います。
【 石川世太・NVCとの関わり 】
2015年
夫婦でNVCを学び始める
2016年
NVC海外トレーナーの招聘
日本の活動家がNVCを学ぶ1週間のリトリートのコーディネート
2017年
米・カリフォルニアのNVC Leadership Program(年間プログラム、1週間の合宿3回)への参加
日本で開催された9泊10日の「国際集中合宿」には家族・母と共に参加
2017−2018年
企業の組織開発でNVCを組み入れた年間プログラムを仲間と運用
2019年
- 2月:NVCベースの夫婦主催リトリート(2泊3日) 屋久島“つながる”リトリート
- 5月:NVC・“つながりを取り戻すワーク”・Integral Ecologyを柱にした4泊5日ワークショップをオーガナイズ・WEB制作
- 7月:「NVCの基礎から真髄まで」の一週間リトリート・NVC “Being” Program アシスタント・WEB制作
- 11月:NVC・“ソーシャル・ジャスティス”をテーマにした7泊8日リトリートをオーガナイズ・WEB制作
2020年
- 3月:「NVCを組織にもたらし、実社会で変化を生む」“NVC at WORK” 企画のオーガナイズ・WEB制作
NVCの実践とともに、言語化能力にも定評をいただいています。
より詳しくはこちらから。https://oiwai.life/seita
今回の開催に際し、あらためて、NVCの学びをくださった先輩方、仲間たち、創始者マーシャルと世界に広げた先達たちに感謝を抱いています。
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ここまで読んでいただいてありがとうございました。
以下は開催概要です、ご関心・タイミングが合えば、ぜひご一緒しましょう。
▼開催概要
*日程:
1.3月7日(土) 13:00~21:00(夕食休憩1時間)
2.3月8日(日) 10:00~18:00(お昼休憩1時間)
3.終了後・4週間の事後プログラム(参加は選択制)
1)それぞれの日常の出来事を題材に、NVCの基本的な“共感”のフォームを繰り返すDaily Work
(NVCのトレーニングと共に、日常の関係性に効いたり、よりよい方法のアイデアにつながるワークシート)
2)週に一度の、参加者同士のグループ共感の時間(オンライン・各1時間ほどを想定)
3)2週に一度の、実践からの質問で学びを深めるオンラインセッション(オンライン・各2時間を想定)
※2)3)の日程は当日にみなさまと日程調整して決めたいと思います。
*会場:
「ゲストハウス KAMOYA」
〒530-0015 大阪府大阪市北区中崎西4-1-26
*定員:
10名
*学びへの参加費:“スライディング・スケール”形式
23,000円 〜 38,000円
<“スライディング・スケール”詳細>
(NVCの学びの中でも大切なことなので、じっくりお読みください)
“スライディング・スケール”は、参加する方がご自身で参加費を決めていただく、お金にまつわる合意形成を双方で行う方法です。
決まった金額として“ふつうに”設定していないのは、
「お金の価値は人それぞれに相対的に異なる」こと、
そして
「この機会がどれくらい必要だったかも、それぞれの方が人生のどんなところにいるかで異なってくる」ことを
含みたい願いがあるためです。
そして、願わくば、「経済的な理由で参加したい想いが叶えられない」ことを、できるだけ避けたいと思っています。
同時に、私たちがこれまで学び、探求し、研鑽してきた、膨大な時間と心の動きとエネルギーと投資が、その価値を十分に受け取られ報われることも、同じくらい大切にできたらと思っているためです。
「今回の呼びかけに共鳴してくれた人には、経済状況によらず、この場を分かち合いたい」
「自分の活動の持続可能性のためにはある程度のお金は必要だ」
そんな想いから、この機会を分かち合う全員のニーズをできるだけ満たすような、お金の循環の仕方を模索するため、スライディング・スケールでの開催にしたいと思っています。
▼実際の運用方法:
1.最少金額の23,000円を「基本参加費」として、事前の入金をお願いします。
2.3月7日・8日のリアルの場と、その後約1ヶ月のフォローアップを終えた時点で、ご自身の感覚と経済状況とから、「どれくらい追加で渡したいと思えるか」を、ご自身とつながってお決めください。追加が無くても、もちろん構いません。
「様々な状況と、ご自身の内側の感覚とを統合的に勘案しながらお金のことに取り組む」ということ自体が、NVCの実践のひとつだと思っていますし、「私の人生のリーダーシップ」を育むプロセスだと感じているため、こうした方法へのお誘いをさせていただいております。
*お申し込み:
定員に達し、お申込みを締め切らせていただきました!ご関心を寄せていただき、感謝しています。
お問い合わせ
こちらからどうぞ。