「地球(ガイア)の声を聴くワークショップ」を終えて

わたしたちは“地球上”に生きているのではありません。

“わたしたち自身が地球”なのです。

これは、「地球(ガイア)の声を聴く」の講師のひとりである、ショーンの言葉です。

わたしたちの身体は、酸素、水、植物、動物の生命…

地球の恵から構成されていて

間違いなく、ひとりひとりが地球という生命体の一部であり、生態系のシステムとしてつながりあい、影響しあっています。

全ての物事や生命と“わたし”は、全く切り離されていない。

『わたし自身が地球である』

そして、目の前にいる人も地球であり、大切な夫、妻、友人たち、子どもたち、テレビ画面に出てくる殺人犯も…全ての人の声が、地球の声である。

そのことを、わたしたちが思い出して

「私という存在を通して、地球が何を表したがっているのか」

という意識で、多様でユニークなひとりひとりが、未だ語られていないことを、語りはじめることができたのなら。

ひとりひとりの地球の声を、生きとし生けるものたちの地球の声を、わたしたちが聴くことができたのなら。

どんな世界が現れるだろう。

もしかしたら、勇気を出して発した、たった一言で、コミュニティの誰かが、救われるかもしれない。

もしくは、人間の言葉を持っていない植物が

遠くにいる、飢餓で苦しんでいる人が

ずっと、待っていた言葉かもしれない。

あらゆる問題や、あらゆる感情を

変化し続けてきた有機体としての地球の、自然な変化の現れとして扱い、わたしたちが語りはじめることができたのなら。

生きとし生けるもののために、わたしたち人間が変わることができたのなら。

そんな願いを込めて、チームの1人として、地球(ガイア)の声を聴くワークショップを、紡いできました。

先日オンライン報告会を終えて、オーガナイザーのお役目もひと段落。

ワークショップで知ることができた、現在起こっている、地球温暖化、気候変動、大量絶滅のこと。

その影響の大きさ、速さ、起きていることの確実さは、想像を遥かに超えていた…。

「すべての海洋生物は崩壊の直前にいる」

「気温が、たった3度上昇しただけで、沿岸地域は海に沈んでいく。もちろん、日本の沿岸都市も含まれる」

このペースで地球温暖化が進んで行ったら、政策レベルで大きな変革が起こせなければ、
間違いなく、遠くないうちに、わたしの今住んでいる土地も海に沈んでしまうのだろう。

このまま行くと、息子が成人し、個性を存分に発揮し、新たな世代の子どもを育てるという頃には、このうつくしい国は無くなっているかもしれない。

そんな絶望的な現実を、仲間とともにまっすぐに見つめ、そこから出てくる体験で、そのプロセスはワークショップ後の現在も続いています。

絶望や崩壊
怒り、恐れ、虚しさ、悲しみと向き合うことは、誰にとってもチャレンジだっただろう。

けれど、人と人が支え合い、自然や、もっと大きななにかが、ずっとわたしたちの声を聴いてくれていることを感じることができる、とても優しく、うつくしい時間でもありました。

これまでNVCの学びを少しずつ続けてきて、小さいながら、分かち合う場を作ってきました。

今回地球(ガイア)の声を聴くを経て、今の時代だからこその、NVCを分かちあっていく意味と、つながりつつあります。

これまで蓋をしてきた感情や、社会のシステムのもつれと、ひとりひとりが向き合う時がいよいよ来たのだ、と感じています。

地球の崩壊を前にした今だからこそ、蓋をしていた感情や、見て見ぬふりをしてきたシステムのもつれが表出してくるだろう。

個人のあらゆる感情を、地球の声であると受けとめ、寄り添える人。

そして、社会のシステムのもつれに寄り添い、新たなシステムを創造するために力を尽くせる人。
わたしは、そんな人で在りたい。

そして、そんなピースメーカーが、社会に増えたなら…

そんなことを願って、新たな学びの場をデザインしたいと思い始めた。情熱と愛の種が自分のなかで育ちはじめようとしているのを感じています。

大崩壊と大転換の時代だからこそ、痛みに寄り添うことができることで、救われる命があると信じている。

「わたし自身が地球である」という意識を思い出し

ひとりひとりの奥底にある、地球の声を聴き

社会のシステムを、生きとし生けるものを大切にするためのシステムへと変容させるために、みんなでアイディアを出し合えたら…

この地球は、どんな惑星となるのだろう。

この記事を書いた人

Sakiko
Sakiko
ひとつまみの希望 主宰 oiwai.life

1990年、鹿児島・薩摩川内市生まれ。高校卒業後、リラクゼーションサロンに勤務。ボディケアを提供するなかで「こんなにも多くの人が疲れているのはなぜだろう?」「人の根源的な癒しは、どうやったら起こるのだろう?」という問いを抱く。

6年間勤めた後「食・暮らし・コミュニティ・社会のシステム」が人に与える影響の探求をはじめ、「人と人とのつながりを大切にする対話法・NVC(非暴力コミュニケーション)」と出会う。
その学びの中で、先住民の叡智をくんだ「 “女性のための集い”・ウーマンズサークル」で起きた癒しとエンパワーに可能性を感じ、霧島市でウーマンズサークルをひらく。

学びの活動は夫婦で共にし、
1週間規模のNVC合宿にも複数携わる。その他、食や暮らしにまつわるワークショップを主催している。

現在、霧島・小浜にある古民家を改修し、「星の家」と名付け、ワークショップの企画や、対話の場、NVCのワークショップを開催している。


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