関東滞在中に台風19号直撃、避難しつつ仲間と豊かな体験。“星の家”の進捗報告も!

星の家をリリースしてから2週間ほどが経ち、いくつもの“ギフトの循環”(いわゆる「リターン」の、私たちなりの形)の声をいただいて、エネルギーと勇気をもらっています。

星の家
– 石川家の“小浜・古民家再生” と “みんなの学び舎” 海の学校 クラウドファンド☆プロジェクト! –
hoshi.house

星の家プロジェクトの現在地

星の家をリリースしてから、現在ユニークユーザー680名を超え、それだけの方々に私たちのビジョンと表現を目にしていただけたこと、とてもとても深い喜びがあります。
 
まず、サイトを訪れてくれて、文量はとても多いと思うので、その全てを見れていない人もいるかもしれないけど、一部でも目にしてくれて、感謝しています。
 
サイトの全てを読んで、「読み物を読むようだったよ」という声も、何人もの方からいただいています。
大きな情報量を受け取ってくださって、本当に感謝しています。
 
そして、ギフトの循環の提案を受け取って、私達にギフトを届ける選択をしてくださったことに、大きな大きな感謝があります。
現在、14名の方から、31万円のギフトの循環をいただけています。
嬉しい・・・!

星の家リリース後の私たち

星の家のリリース後、咲子はいくつかご報告の投稿をしていますが、
ぼくはというと、膨大な情報をまとめたサイト制作でエネルギーを使い果たし、以前もあった“めまい”に見舞われて、数日寝込んでいました・・・
 
その後、家族で関東に一週間滞在する旅路に入り、
全国の活動家仲間と、神奈川県・藤野で4泊5日の合宿をしながら、
その最中に台風19号の直撃を受けて半ば避難生活をし、
それでも朝から深夜まで、超充実の学びの機会を受け取り、
 
ようやく道路・線路が通れるようになり、実家に戻って一息ついて、
やっと今、星の家のところに戻ってくることができました・・・!
ふぅ。
 
 
この濃密だった関東滞在のことを、プロジェクトのお報せのひとつとして書き残したいと思います。
私たちのビジョンや、これから取り組みたいこと、そして家の改修自体にもインスピレーションをもらえる体験でした。

何のための旅だったか

元々は、
10月10日〜12日@神奈川県の藤野、
10月12日〜14日@茨城県のやさと農場で、
それぞれ開催される、どちらも“つながりを取り戻すワーク”を主題にした合宿に、参加する予定でした。
 
 
“つながりを取り戻すワーク”は、
ジョアンナ・メイシーという、アメリカの環境活動家であり、仏教哲学者である90歳の女性が、
彼女の人生にわたる活動の中から紡ぎ出した、英知の詰まったワーク。
 
アクティブ・ホープの輪を日本に広げよう –
http://activehope.jp/
 
Joanna Macy & Her Work –
https://www.joannamacy.net/main
 
 
今で言えば、気候危機が認識される中、私たちも含め世界中の多くの人が取り組んでいますが、
その私たちが、
 
「どうしたら、“巨大で複雑な社会というシステム”に変革をもたらせるのか」
「その無謀にも思える挑戦を、燃え尽きずに続けていくためには、何が大切なのか」
 
それを私たちの内側から気づかせてくれる、数多くのワークからなる体系です。
 
 
前半の合宿は、3年前にジョアンナの集中的な1週間の学びのためにカリフォルニアに行った仲間たちを中心に、
現在の気候危機の潮流も受けて、これから次の流れをどう生み出していくか、
それぞれの中で紡ぎ出し、そしてみんな“織り物”にしていくことを意図した場でした。
 
私たち家族はその3年前の合宿には参加していないけれど、同じ文脈の学びを共にしている@しかちゃんからのお誘いで参加させてもらいました。
 
合宿には、 中野民夫 さんや 榎本 英剛 (Hide Enomoto) さん、他にもたくさんの、こういった道のりの先輩達が集まっていて、彼らと、つながりを取り戻すワークも含めた探求と対話の時間を共にすることができ、とても収穫の大きな時間でした。

(もっともっと豊かな詳細があるのですが・・・また書く機会があれば、そのときに。)


後半の合宿は、この5月に「地球の声を聴くワークショップ」を一緒につくったゆかさん Yuka Saito と、その参加者であり、仲間であるみかえさん 小山 宮佳江 (Koyama Mikae) 、いぇじん 姜 咲知子 (Sachiko Kang) が開く場でした。
 
地球の声を聴くワークショップ
http://listening-to-gaia.strikingly.com/
 
会場のやさと農場は、40年ほど前から、有機農業や、“つながりを感じられる人が作った食べ物をいただく”ことを大切にする営みを続けている、とてもリスペクトを寄せている場所。
世代を超えて、今はいぇじんが仲間たちと運営していて、彼女のオーガナイズで開催する予定でした。
 
暮らしの実験室やさと農場 –
http://kurashilabo.net/
  

台風19号の直撃、後半の合宿の中止

うちの母も参加する予定だった、このとても楽しみな後半の合宿が、今回の台風19号の接近を受け、たくさんの葛藤があるなか、中止することになりました。
 
この判断は、前半の合宿の最中、そちらにも参加していたゆかさん・みかえさんが、合宿中に検討を重ねたもの。
特に僕たちが後半の合宿のために鹿児島から来ていることもあって、僕達のためにも、どんな判断をするのがいいのか、とてもたくさんのことを考えてくれた末、中止となりました。
 
既に日本全国の方々が、台風19号の甚大な被害を聞き及んでいると思いますが、交通が相当に麻痺をしたこともあり、この中止の判断は本当に英断でした。

甚大な被害 台風19号 66人死亡47河川で決壊 全容は不明 | NHKニュース –
https://www3.nhk.or.jp/n…/html/20191015/k10012131581000.html
 
こうした機会を開催する側も多い自分として、彼女達のリアルな葛藤を感じ、当事者の体験もできたことは、その意味でも学びがありました。
 

台風が迫る中、私たち自身もどうするか

さて、後半の合宿を中止にしたとはいえ、神奈川県藤野という、少し山の中に入った場所にいる私たちにとって、台風は自分たちにとっても脅威になる可能性が大いにあるものでした。
 
超巨大な台風が来るという知らせは、鹿児島にいる頃から受け取っていて、果たして、わざわざ台風の進路の中に飛び込んでいくのはどうなのだろう・・・と家族でも話していましたが、この機会の、自分たちにとっての大切さを思い、関東に飛びました。
 
そして、まさに台風の迫る最中、早い段階で帰る選択をするのか、それともこの人たちと一緒にいられる貴重な機会を学びに変えるチャンスを掴むか、台風が近づく中、判断を迫られました。
 
 
そうして、
学びの師匠であり、大切な友人でもあるゆかさん、
藤野のコミュニティを育んでいるみかえさんとも相談をして、
せっかくのこの機会を、「つながりを取り戻すワークのファシリテーター・トレーニングの機会にする」という、僕たちにとって願ってもないアイデアが実ることになりました。
 
 
星の家の構想を描けたのも、
そして今の私たちが大事に思っているいくつものことの中にも、
5月の「地球の声を聴くワークショップ」での学びと体験が色濃く存在していて、
そのワークショップで学びをいざなってくれた一人が、ゆかさんでした。
 
だから、僕たちにとっては、普段はカリフォルニアに住んでいるゆかさんと過ごせる、それはそれは貴重な機会に感じていて、彼女と一緒に過ごせるだけでも十分と思っていた上に、そういった提案を受け、そのチャンスを掴みたいと思ったのでした。
 

藤野・トランジションタウン しなやかで強い地域

この超巨大な台風を目の前にして、それでも、家族で移動するよりも藤野に滞在することを選んだのには、もう一つ大きな理由があります。
 
藤野という地域は、“トランジションタウン”という、食やエネルギーなど、生きるために必要なものを地域の中で自給し、コミュニティとしてのレジリエンス(柔軟な対応ができる資質)を育んでいる場所で、私たちの仲間もたくさんいる地域です。
 
(参考)トランジション藤野
http://ttfujino.net/
 
 
以前から来たいと思っていた場所で、
最近の台風15号による、千葉を中心にした大きな被害を目にし、
「地域の中で生活に必要な要素が柔軟にまかなえる状態」を作る大切さを感じていたこともあり、
藤野から学びたいと思っていました。
 
そういった中、まさにその藤野で、巨大な台風がやってくるという、レジリエンスが大きく求められるタイミング。
 
さらに、この場のオーガナイザーの1人のみかえさんは、このトランジション藤野の中心人物の1人でもある。
 
彼女に支えてもらいながら、災害時に藤野のコミュニティがどんな風に機能するのかを体感出来る、こちらもまたと無い機会だと思ったのです。
 
ここでの体験が、これから小浜で自分たちの場所を築き、地域の方々と生きようとする中でも、大きく生きるだろうと。
 
小浜は、内海とはいえ、海に面した場所。
これから、海水面の上昇と、「100年に一度の高潮」が10年に一度起きるくらいの影響が予想される中、災害にどう対応できるかは、本当に生と死を分ける可能性があると思うので。
 
 
結果として、ぼくたちは、みかえさんの支えを核に、藤野のコミュニティに助けられ、滞在中は台風の心配をほとんどすることなく、学びの時間に没頭することができました。
 
藤野の方々の寛容さや、共助の意識が当たり前にあるつながりを感じることができ、
普段からつながって、地域で“みんなでどのように生きていきたいのか”、共に思い描いて暮らしていることの大切さを受け取りました。
 
これからの星の家づくり、そして小浜で暮らしを営ませてもらう中で、生かしていきたいと思います。
 

つながりを取り戻すワーク・ファシリテータートレーニングの濃厚な学び

この台風の中での体験を、ただ避難していただけでない、濃厚な豊かな時間にできたのには、
ゆかさんがリードして、みんなで紡いだ「つながりを取り戻すワークのファシリテーター・トレーニング」の収穫が大きくあったからでした。
 
このワークは、体験をし、自分の中で探求と収穫を進めていくことが、
社会をより願ったものにしていく働きかけのために、
とてもとても役に立つものだと思っています。
 
より詳しくは5月の合宿のレポート記事をどうぞ。
http://listening-to-gaia.mystrikingly.com/…/integral-ecology
 
 
日本ではまだまだ願ったほど広まっておらず、この学びをリードできる人も多くない状態のようで、「この学びを共にしている仲間たちにファシリテーターのトレーニングをしたい!」と、ゆかさんが情熱を込めて進めてくれました。

尊敬する師匠であり、仲間であり、友人である、ゆかさん。

 
多くの尊敬を集める90歳のジョアンナ・メイシーが、人生をかけて体系立ててきたワーク。
ワーク自体に大きな力が備わっていて、体験する度にそのパワフルさを感じます。
 
具体的には、
閉塞感を感じるような状況でも、より大きな見方から新しい展望や、状況を変え得る行動をとれるようになる。
そんな体験をいくつもしています。
 
そのワークをリードできるようになるためのトレーニング。
ファシリテーションそのものへのインスピレーションもものすごく多くて、自分のファシリテーション観がまた広がる学びでした。
 
場を持つときの意図や起こしたいことによって、自分のあり方や働きかけ方は変わるものだと思っているけど、
これまで以上に、その場にいる人たちが持っている
 
力や
知恵や
リソースを
 
引き出し、分かち合えるような、ファシリテーターのあり方・やり方を学び直すような体験でした。

 
これからの自分の場作り全体にも活かしていくし、
 
「つながりを取り戻すワーク」自体も、この気候危機の感じられる中で、
そのことを感じないように生きるのではなく、
かといって、どうすることもできないと絶望することもなく、生きていくために、
仲間たちや志を持った人たちと、分かち合っていきたいと思います。
 
台風からの避難をしながら、丸2日間過ごした濃厚な学びの時間を、
星の家の学びの場や、これからの自分の活動に、大いに活かしていきます。
 

収穫のまとめと、これからへの想い

今回、日本全国の活動家の仲間たちと会うことができて、
その中で、自分たちは星の家のビジョンを持ち、実践をしていること、
そしてそこにギフトの循環や共感をくれている人たちの存在も後ろに感じながら、その場にいることができました。
 
それは、これまでの自分の感覚よりも、もっともっとずっと頼もしい感じで、私たちはそれぞれで生きているだけでなく、本当につながりの中に生きているのだと、実感していました。
 
そして、こうして出会ってさらに広い繋がりになっていく。
そのつながりの中から生まれるもので、バラバラのときにはなかった何かができるようになっていく。
 
これが続くことで、今はまだ見えない、これからの“続けられる幸せな世界”へとつながっていく感覚を抱くことができた、この約1週間の関東滞在でした。
 
 
それもひと段落がつき、いよいよこれから星の家の改修へと入っていきます。
 
星の家をリリースした後、数年来の友人である、こちらも“鹿児島のレジェンド”と呼ばれている高橋素晴(すばる)さんが協力の声を上げてくれて、近く一緒に家を見て、構想をまた膨らませていきます。
 
素晴さんプロフィール
http://simple-salt.jp/profile/
 
 
そこから、より具体的な改修のイメージや、
それをどう進めていくか、
その中でワークショップとして、つながる皆さんに一緒に手を動かしてもらえる機会をどう作れるか、
構想していきたいと思います。
 
また、それもお知らせします。
ぜひ、みんなで作る星の家づくりにジョインしてください!!!

感謝を込めて。
 

【星の家、ご支援・循環の環に共にいること、継続大募集中!】

星の家 – 石川家の“小浜・古民家再生” と “みんなの学び舎” 海の学校 クラウドファンド☆プロジェクト! –
https://www.hoshi.house/

この記事を書いた人

Seita
Seita
システムファシリテーター
株式会社musuhi 取締役COO / Chief Dialogue Officer
ひとつまみの希望 主宰
世界と変わるコトバ研究所(NVC インテグラル理論 U理論 つながりを取り戻すワーク システム理論 等を統合的に扱い「私から、世界と変わる」ための研究・実践活動)


東京生まれ。大学時代から環境問題に取り組み、社会人時代に15年続く環境NPOの代表理事を拝命。2011年に鹿児島に移住、対話・ファシリテーションを鹿児島のまちづくり・地域コミュニティの文脈に導入する事業に参画。2017年4月に合同会社むすひを共同創業、「対話を核に組織が文化から変容していく」組織変革プログラムを仲間と運用。現在は「協働の質を高め、チーム・組織の中での対立も扱えるコミュニケーション:NVC」のオンラインスクール・コミュニティ事業や、第一人者たちと日本での展開に取り組む。


*少し詳しい自己紹介はこちらから。

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