ようこそ!
11月12日・13日。いよいよ、“星の家”の古民家改修作業が始まりました!
「2日間でここまで進むとは思わなかった!」という感想が多く出た、私たちの改修の第一歩をレポートします!
古民家改修チームの初顔合わせ
星の家のウェブサイトリリース後に協力の声を上げてくれた高橋素晴さんにチームの棟梁役になってもらって、その上で、チームが全員揃うのはこの朝が初めてでした。
「14歳で単独太平洋ヨット横断」というギネス記録を持ち、鹿児島が誇る豊かなフェス・グッドネイバーズジャンボリーで毎年ツリーハウスをゼロから作っていて、機械系・木工系にめっぽう強い、鹿児島のレジェンドと呼ばれる素晴さんを棟梁に(パートナーの悠希さんの支えももらいながら!)、
鹿児島の頴娃町を、観光人口年間15万人にするまでに、地域の仲間たちと育み、現在では9軒の古民家再生をして、地域に住み貢献してくれる意思も持った移住者を多く呼び込んでいる、こちらも特に行政関係の中でレジェンドと呼ばれている、加藤潤さん、
霧島を拠点に内装の仕事を長くされている職人、“伊久良屋”の伊久良さんご夫妻、
星の家の不動産屋さんで、小浜在住、小浜と私達の繋がりを作ってくれている湊さん、
そして、私たち家族という、「星の家・改修チーム」がようやく揃い、はやる気持ちを抑えながら、繋がりを大切にするために朝のミーティングでチェックイン(「初日が始まろうとしている今、どんなことを感じているか」を一言ずつ話す)をし、
そして、それぞれのやり方や大切にしていることがある中で、チームとして共にやっていくために、知っておいて欲しい事や、気がかりなどを話した上で、作業に入ってきました。

作業をしに来ている面も大きいため、早く取り掛かりたい雰囲気もありながら、この時間を作ったことはやっぱりとても大切だったなぁと思います。
改めて、どんな風に改修するのか
今回の改修では、そのままでも住むことができる水準の家を改修して、私達が作りたいと思っている場に合った形に改修する、プロジェクトです。
元々はこんな感じです。


半年くらい前まで住んでいた人がいたそうです。
それを、改修の方針としては、
- 木の存在が感じられて、特に床が美しい
- 学びの場を開くために、20~30人が集まれる広い空間も存在する家にしたい
- 壁面は漆喰など、自然素材を使った気持ちの良いものにしたい
- 古民家らしさも生かして、落ち着いて、そこにいる安心感がある空間にしたい
といったイメージ。
間取りは、元々がこんな感じで、

改修後はこんな風に。

工期は、第1期と第2期に分けていて、第1期はまずは住めるところまで、そして第2期で細かいところまで仕上げていくイメージです。
時期は、2020年2月ごろには引越しして、3月20日・春分をオープン記念パーティーの予定にしているので、そこまでに仕上げていきます。
そんな全体感の中での、最初の作業日となりました。
はじめの一歩
今回のハイライトは、
壁を抜く
床を抜く
お風呂の入り口を変えるために、お風呂の壁を切り抜く
天井裏に何十年もの間降り積もった灰や、ホコリを掻き出す
となりました。
こうして箇条書きにしてみるとシンプルにまとまりますが・・・ひとつひとつがズドンズドン!と大きな作業でした…!
畳を出し、

ほとんどの壁についているプリント材(表面に木の柄が印刷されたベニヤ)を全てはがし、

土壁をハンマーなどを使って崩し、

(土壁を支えている土台の“たけこまい”は素敵なので、どこかに活用しようと思います!)

お昼ごはんは咲子がつくったカレー食べながら、作戦会議をし、

家の真ん中ほどにあった押入れを解体し、

頑丈に固定されていた、床の下地をはがしました。

ここまでで1日目。
かなりやったなあ!
その後みんなで温泉に入って、初めての懇親会!
かなりバックグラウンドの違うそれぞれの話と、
家にまつわる制度や私たちの意識、そして、それらが作る社会についてなど、深く広い話も大いに盛り上がり、豊かな懇親会となりました。
星の家自体も、ただ古民家を改修するというだけでないビジョンを持ってやっているので、そのプロジェクトが器になって集うことができたこのチームも、本当に豊かだなぁと感じています。
大大大感謝!
———–
そして2日目。
いろいろ解体して、家の全貌が見えてきたところで、
実際にどのように仕上げていくか、家の強度をどう高めるかなど、ミーティングもしながら、
現在の土台となっていた材の痛みも見て、新しい材を入れることを前提として土台部分をかなり綺麗にしたり、
天井を一部外して天井裏に入り、積年の灰とホコリを、文字通り「灰まみれ」になって掻き出したり、

素晴さんと2人で上がって、「炭鉱夫の人達は大変だったろうなぁ、こんな中に毎日いたとしたら、それは命を落としても不思議じゃないよなぁ」と過酷さを分かち合いました・・・もう、本当に大変だった!
そこから素晴さんのパートナーの悠希さんや子供達も合流し、楽しく美味しい昼ごはんをして、

昔の家あるあるでお風呂の脱衣場がなくて、「昔はどうしてたんだろう?」と話題になるのだけど、脱衣所の設置や動線を整理するために、お風呂の入り口を変えようと、今は壁になっている部分をグラインダーで切り、破砕機で取り外していきました。

こういう振動系の工具を扱うのは本当に大変だろうと思って、黙々と取り組んでくれる素晴さんに深い深い感謝をして、胸がジーンとなりました。
(そして、世の工事現場の方々、本当にお疲れ様です・・・!)
最後に、次の集中的な作業は12月の半ばになるため、そこに向けたミーティングをして、2日間を一旦締めくくりました。
みんな本当にお疲れ様でした、本当にありがとう!!!
チーム以外で作業を手伝ってくれた人達
この作業の開始を迎えるにあたっても、本当にいっぱいいっぱいだった私達は、作業前日の夜にようやく「明日明後日と作業しますので、もしお手伝いできる方はぜひ!」とFacebookに投稿することができました・・・
直前の呼びかけにもかかわらず、1日目に4人、2日目に2人、「できる範囲で」と言って手伝いに来てくれて、細々とした、けれど、確実に手が必要な作業を担ってくださいました。
本当にありがとうございました!
また、古民家改修に関心のある方は多いようで、「今回は行けないけれど、次回にはぜひ行きたい!」という声をたくさんいただいています。
協力の想いもとってもありがたく受け取っていますし、こうして、わりと大掛かりに手を加える古民家改修に関われるチャンスを貴重に感じて、ぜひやってみたいという方の多さにも、喜びと驚きがあります。
個人的に、「家というものはプロの人が触るもので、自分たちになんとかできるものではない」という感覚を持って人生の中の多くの期間を過ごしてきましたが、
こうして古民家改修にチャレンジする中で、自分達でも家を直していける感覚と手応えも少しずつ実感しています。
それは、今の社会の中で、色んなブラックボックスがあって、自分にできることはあまりないような感覚から、
「自分にできることだってたくさんあるのだ」と、“力を取り戻していくこと”でもあると思っていて、それを大切に感じています。
こうした改修の機会を、ぜひうまく使っていきたいなぁと思っているところです。
日程と、手伝ってもらえる作業内容が見えたら、また呼びかけさせてもらいますので、良ければ是非、ご一緒しましょう!
今後の見通し
次回の集中的な作業は、12月の半ば過ぎぐらいから、4日~5日ほどの予定です。
今度は、家の構造の基礎となる部分に、「この家であれば最低限これぐらい必要ではないか」という量のコンクリートを入れて安全性を高める作業と、
キッチンだったところを土間にして新しいキッチンにしようとしているので、砂利などを入れて転圧して、そしてコンクリートを入れて・・・といった作業になる予定です。
家の構造の土台を作り直して、床の下地を貼るところまではやりたいなと。
日程が決まったらまた発信したいと思います。
今回から見えてきたこと
自分自身、DIYが好きで、やったことがあったり、以前、鹿児島中央助産院が移転する前の建物の中を少し解体を手伝ったり、いろんなことはやってきて、全くやったことのない状態と比べたら色々と動けたようにも思いますが、
こうしたことを日常的にやっている仲間たちに比べると、パワー不足や体力不足を大いに感じる2日間でした・・・
自分のハイライトは、天井裏に入って灰を掻き出す作業!
天井裏の狭い空間で、もうもうと立ちこめる灰とホコリに、窒息するんじゃないかというような怖さ・・・軽くパニックになりました・・・
狭い中で体をうまく動かして進んでいく際、全身の筋肉を使っていて、これまで本当に体幹トレーニングをしてきて良かったなぁと思う機会でもありました。
終えてみて本当に筋肉痛がすごいです・・・
一緒に天井裏に登っていた素晴さんに、「本当に大変だったよね、息ができなくなるような怖さもあって・・・」って話したら、
「俺は結構日常的に息ができなくなるところにいるからね。コンクリを削ってもうもうとしてたり、海に潜ったり。だから平気なんだよね」と言っていて、かなり驚愕でした。棟梁凄すぎる・・・

そして、このチームでできていることの豊かさをとても感じる機会でした。
今回は、ただただ古民家の改修ができればいいというだけでなくて、その後、小浜や霧島という地域の中でつながりを持って、暮らしやこれからの社会づくりを織りなしていくことも意図に入っているので、
地域とのつながりを一緒に持ってくれる湊さん、
霧島で繋がり、そしてこの古民家改修という文脈でも繋がっていける伊久良さんご夫妻、
古民家改修という文脈をより広く扱い、広いつながりの中に織り込んでくれる潤さん、
そして、古民家改修をリードするとともに、根占で暮らしと仕事の実践的なコミュニティーをつくっている素晴さん・悠希さん
とできていることで、
私たちの星の家の改修が無事進んでいくというだけでない意味を持って、このプロセスが進んでいくと、この先を見渡すことができています。
終わりに
と、色々言葉を紡いでみましたが、2日間を経て夫婦共々、体がぐったり。
それでも“星の家”は、本当に素敵に、そして私たちが思い描いているような空間に仕上がっていくことがありありとイメージできて、本当に楽しみです。
クラウドファンドの進捗はまずまずですが、まだまだ直接お声かけをさせてもらえていない、私たちにとって大切な大切なつながりの方々がたくさんいらっしゃるので、どんな形でも、私達やこのビジョンと共に繋がってくださったら、とてもとても嬉しいです。
それでは、最初の作業のご報告でした。
星の家プロジェクトと、他にもいくつものプロジェクトやお仕事を進めつつ、こうしてご報告もしっかりしていくということ、並大抵ではないこともひしひしと感じながら、それでもやはりどれも大切にしたいという想いを持って、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
私たちと、そして皆さんが、健やかで実りある日々の中にいることを願って。
また会いましょう!
この記事を書いた人

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システムファシリテーター
株式会社musuhi 取締役COO / Chief Dialogue Officer
ひとつまみの希望 主宰
世界と変わるコトバ研究所(NVC インテグラル理論 U理論 つながりを取り戻すワーク システム理論 等を統合的に扱い「私から、世界と変わる」ための研究・実践活動)
東京生まれ。大学時代から環境問題に取り組み、社会人時代に15年続く環境NPOの代表理事を拝命。2011年に鹿児島に移住、対話・ファシリテーションを鹿児島のまちづくり・地域コミュニティの文脈に導入する事業に参画。2017年4月に合同会社むすひを共同創業、「対話を核に組織が文化から変容していく」組織変革プログラムを仲間と運用。現在は「協働の質を高め、チーム・組織の中での対立も扱えるコミュニケーション:NVC」のオンラインスクール・コミュニティ事業や、第一人者たちと日本での展開に取り組む。
*少し詳しい自己紹介はこちらから。
*これまでに書いた記事の一覧はこちらから。
*妻・Sakikoの記事一覧はこちらからどうぞ!
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