息子の自由な歌に気づかされること

息子と暮らしていて、気づくことがたくさんあります。

彼は最近、映画「グレイテスト・ショーマン」がお気に入りで、よく見ています。
そのうちに、映画の中の歌を歌い始め、言葉はわからないけれど、似たような音を表現しながら楽しそうに歌っています。
一緒にいる僕達は、なんとも楽しく、思い切りのよさが気持ちの良い歌が気に入っています。

気づいたのは、彼にとって「歌のうまい、へた」というものはまだないということ。
だからこそ、楽しく思いっきり歌えるのかもと。

そして、映画の中には、男性の歌・女性の歌がありますが、そのどちらも、彼は後からついていくように歌ってみます。
彼の中に、「男性と女性の区別」というものが、「どうやら温泉に入る時は別らしい・・・」ということ以外、特にまだ持っていないこともあって、歌における性別の区別が全くないのだなぁと思いました。

自分の小さな頃を振り返ってみると、
女性の歌を歌うことはなんだか恥ずかしい感じを持っていたし、
歌うなら上手く歌わなきゃいけないし、
歌詞も音程も正しく歌うのが良いことだと思っていました。

こう見えても、小さな頃はとても声が高くて、「女の子のようだね」と言われていて、歌を歌うのは大好きでした。

けれど、音楽の時間に歌を歌って、それが音が外れていたり、女子が歌う時に間違って歌い出してしまったりしたときには笑われたりして、とても恥ずかしい思いをしました。

一度は、歌の内容が素敵すぎて、歌っていて涙が出てきて。
そしたらまわりから「なんで泣いてるの?」とからかわれて、「顔から火が出るほど恥ずかしい」という状態でした。

少年だった自分の心を思うと胸が痛みます・・・

だから、僕にとって「歌を歌う」というのは、
とても楽しいことであるとともに、怖いことでもあって、
それは恥ずかしいこと、間違っていると思われることとかなり近く結びついているためです。
それを怖いと思うがゆえに、歌わないできたシーンがとてもたくさんあります。

こうやって思い返してみると、随分ともったいないことをしてきてしまったような気持ちや、安全のために自分に制限をかける事をごく自然にやって来たんだなぁと気づきます。

息子には是非、今のようなのびのびとした表現を続けてほしい。
それは、彼自身がとっても楽しいから、ということと共に、
おそらくこれからの時代、そういった感性や創造性がより一層大切になると思っているからです。

僕自身も、今からでも、自分への制限をより少なくして、自分の創造性が生きる生き方をしようと思います。
それは僕自身、自分の創造性や、全体性が生きる形で生きていきたいし、
それが自分が仕事とすることにも活きてくると思うし、
そしてそんな姿を息子に見せ続けたいと思うからです。

家族の前でも歌を歌うのは恥ずかしいと感じてしまう自分ですが、先日息子と2人でドライブに出かけた時に、気に入っている歌や、それこそグレイテスト・ショーマンの曲などを思い切り2人で歌い続けて、息子はとてもとても楽しそうでした。
僕も久しぶりに、制限をかけずに自分が出来る表現に試みる楽しさを満喫できて、いい時間だったなぁと思います。

仕事柄といいますか、そうした歌を思い切り歌ったり表現してみるということが、自分が仕事で人に話す時にも活きてくることを発見しています。

プレゼンテーションなど、人に何かを伝えて、
ビジョンの共有や、一緒にやりたいと思っていることに協力してもらうことを意図する時に、
自分自身が生き生きと、思い描いていることに心を震わせながら話せることは、とても大切な資質だと思っています。

数年間置いたままにしておくことの多かったギターも、改めて練習して、弾きながら歌ったりできるようにしたいな。
元々「いい声だねー」と言ってもらえることが多いですが、高い音域がなかなか楽に出せないと思っているので、やっぱりボイストレーニングや、体作りも試みたいなぁとも思っていたりします。

自分の全体性を持って、
仕事にも、活動にも、未来のためのことにも、取り組んでいきたい私です。

この記事を書いた人

Seita
Seita
システムファシリテーター
株式会社musuhi 取締役COO / Chief Dialogue Officer
ひとつまみの希望 主宰
世界と変わるコトバ研究所(NVC インテグラル理論 U理論 つながりを取り戻すワーク システム理論 等を統合的に扱い「私から、世界と変わる」ための研究・実践活動)


東京生まれ。大学時代から環境問題に取り組み、社会人時代に15年続く環境NPOの代表理事を拝命。2011年に鹿児島に移住、対話・ファシリテーションを鹿児島のまちづくり・地域コミュニティの文脈に導入する事業に参画。2017年4月に合同会社むすひを共同創業、「対話を核に組織が文化から変容していく」組織変革プログラムを仲間と運用。現在は「協働の質を高め、チーム・組織の中での対立も扱えるコミュニケーション:NVC」のオンラインスクール・コミュニティ事業や、第一人者たちと日本での展開に取り組む。


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