ようこそ。
年末のこと。息子はハサミを気に入っていて、切っても大丈夫な紙をそこら中に散らかしたりしていました。
散らかるのはちょっと落ち着かない気持ちになるけど、楽しそうだし、あとで一緒に片付ければいいので、ふんふんと見守っていました。
そのうち何か大事なものを切ったりしなきゃいいけどなぁ、と思っていたら、彼のお気に入りのヘッドホンの音が出ないんだけど・・・と言い始めたので、iPadの不具合かもねと再起動していると、なにやらコードを持っている。そう、コードをハサミでばっさり切ってしまっていたのでした・・・!
物が壊れてしまうのって、やっぱりインパクトがあって結構びっくりして、残念さを分かち合い、
「コードを切ってしまうと、そこで信号が途絶えてしまって音が聞こえなくなるんだよ」と説明したり、
このままだともう聞こえなくて、これまでのお気に入りの映画の音も聞こえないんだよ、という話をして、残念さの中、息子は眠りにつきました。
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・・・さて、ソーラー発電システムの自作も経験している自分としては、スパッと切れたコードを見た瞬間から、「これは皮膜を剥いて、ハンダでつなぎ合わせられるんじゃないかな」と、やってみたい興味が動いていたのでした。
そういうわけで、息子が寝て1人になるや、ニッパを取り出して皮膜を剥き、中のコードがどうなっているのか確認。イヤホンのコードは3本の線で出来ていました。そりゃ1本じゃないよね。
調べてみると、それぞれの線は絶縁されているけど、ハンダづけすることで絶縁コートが溶けて、切り離された線の間に信号を通すことができるようになると。
それならと、久しぶりにハンダごてを引っ張り出しました。
年末の夜にコネコネと、久しぶりのハンダ付けをして、3本の線を溶接、そしてiPadにつないで音を流してみると・・・見事ヘッドホンから元のように音が聞こえるようになった!よかった。

る。それぞれハンダづけ。これで直るんだから、ある意味
シンプル。
切れる前には当たり前に音が出ていて、なんとも思っていなかったけど、こうして自分がそのシステムに関与してみると、特別なもののように感じるものですね。
あとはそれを、絶縁効果もあるビニールテープで巻いて仕上げればよかったのだけど、ヘッドホンのコードの中がどうなっているのかを息子に見せて、そしてこうやって直して聞こえるようになったんだよ、という話をするため、そのままにしておきました。
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翌朝、息子が起きて、一緒に直した部分を見て音が出るようになったということと、中身はこうなっていて、父さんがこうして直したんだよという話をして。
再び音が出るようになったことに大喜びしている息子を見るのは嬉しく、その上で、「こういう時に、ありがとうって言うんだよ」と、起きたことと言葉との結び付きを作れればいいなぁと思って、伝えたのでした。
どこまで繋がっているかわからないけれど、「ありがとう」とは言ってくれて、
自分としては、この直す試みができたこと自体で満たされているので、
「ありがとうを言ってもらわないと・・・!」ということはなかったけれど、
こうしたことが家族の学びの機会になればいいなぁと思ったところでした。
そうして、ビニールテープをハサミを使って切りとって、「ハサミは、こういう時に思ったように切るために使うんだよ」というのも話したりしながら、コードにテープを巻き巻き、うまいこと仕上げて、再び彼のお気に入りの習慣ができるように戻せたのでした。

iPadで映像を見て、その中の歌を聴きながら、自分でも何度も口ずさんでいるのが楽しそうで、音楽の感性も育まれそうだし、我が家の中にもなんとも素敵な歌声が響くしで、僕らも気に入っているこの日常。戻ってきて良かったなぁと思いました。

の置き台?もあるのだけど、最終的にこうなる。真剣なま
なざし。
(幼年期に画面、動画を見続けることへの懸念はもちろんあるんだけど、家族全体のニーズのバランスを思ったときにその選択をすることがそれなりにある・・・ワークショップ、合宿に息子も一緒にいるときにはどうしても増えてしまって嘆きではあるけど、自分が小さい頃にゲームをたくさんやっていたことを思い、この時代だったら仕方ないし、それはそれで未来のなにかにつながっていくのだろうと、自分の体験から思ったりして、続けているのでした)

よ〜!
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そして、こんな風に物が壊れた時、
もうダメだ、捨てなきゃ、ではなくて、
治せるんじゃないかなと思い、そして実際にそれを試してみれる道具と手があることの大切さを改めて思い、
その素養を身につけさせてくれた、尊敬するテンダーに改めて感謝を抱く年末でもありました。
気候変動が意識され、ではどうしたらいいのか?という時に、彼と活動したことや、彼に伝えてもらってたくさんのことが自分の中に生きていることを感じます。
今回大いに生きた、ソーラー発電システムの自作についての彼の著書「わがや電力」がとてもとてもわかりやすく、つくるためだけでなく、そのことやエネルギー、世界を捉える見方も含めて、本当に名著で、オススメです。
https://yohoho.jp/wagaya
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この1月・2月は、“星の家”の古民家改修作業も佳境に入り、その後も自分で家の世話をしながら住んでいくことを考えると、こうした体験は本当に重要だったなぁと思うし、これからも、万事上手くいくかわからないけど、試み続けていくことの大切さを思う正月です。
(星の家・記事一覧はこちらから!)
https://oiwai.life/category/hoshi-house/
近く「壁塗りワークショップ」もやる予定で、みんなで楽しく家の壁を塗ってみる1日を過ごせたらと思っています!
それ以外にも、作業をする時は随時呼びかけようと思っています、よかったらご一緒しましょう!
特に我らが棟梁・高橋素晴さんの、改修作業での身のこなしを見るだけでも、たくさんのインスピレーションがあるなぁと思っています・・・!
2020年は、繋がる方々といろんなお話をすることに吉兆があるような感じがしていて、是非お会いしたく、お話したく、思っています。
また会いましょう!
この記事を書いた人

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システムファシリテーター
株式会社musuhi 取締役COO / Chief Dialogue Officer
ひとつまみの希望 主宰
世界と変わるコトバ研究所(NVC インテグラル理論 U理論 つながりを取り戻すワーク システム理論 等を統合的に扱い「私から、世界と変わる」ための研究・実践活動)
東京生まれ。大学時代から環境問題に取り組み、社会人時代に15年続く環境NPOの代表理事を拝命。2011年に鹿児島に移住、対話・ファシリテーションを鹿児島のまちづくり・地域コミュニティの文脈に導入する事業に参画。2017年4月に合同会社むすひを共同創業、「対話を核に組織が文化から変容していく」組織変革プログラムを仲間と運用。現在は「協働の質を高め、チーム・組織の中での対立も扱えるコミュニケーション:NVC」のオンラインスクール・コミュニティ事業や、第一人者たちと日本での展開に取り組む。
*少し詳しい自己紹介はこちらから。
*これまでに書いた記事の一覧はこちらから。
*妻・Sakikoの記事一覧はこちらからどうぞ!
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