“教育についての対話の場”から、感じたこと

「ARCO Cristal 」の展示会2日目は、
ゆみさんによる、

「旅する親子が覗いた せかい 」

世界から感じる、これからの教育 についての対話の場を開催しました。

ARCO Cristalのゆみさんは、大手の広告業界を経て、いまは子育てをしつつ、企画、ライター、ちんどん屋、盆踊り・・・様々なことをされています。

子どもとの暮らし、持続可能なコミュニティをテーマに、14ヶ国をフィールドワークしてきたそうで、様々な事例をご紹介いただきました。

「ポートランドのシティリペア活動」
交差点を美しくペインティングし、人と人とが交流する場を”物理的に”つくった市民活動。
芸術表現の場、コミュニティをつなぐ場というだけでなく、
安全面でも車がゆっくり走るようになり、事故が減り、法律でも認められている。

「いらなくなったものをアート・学びに使える、 クリエイティブリユース」
廃材、大手企業の服の端材、使い終わった演劇の衣装…
広告ポスターの大きな紙は、絵のキャンパスに。

「食べられる校庭・エディブルスクールヤード」
食物をともに育て、ともに調理し、ともに食べるという体験を通して、
生命(いのち)のつながりを学校で学ぶ。
「このコーンはメキシコから来たんだよ」とか。料理ひとつでも、様々な学びにつながる。

他にも、世界中の場と日本の場、
そして、季節のアクセントとしてある“ 祭り ”の大切さも。
祭りの話をすると、丹田から力が湧いてくる感覚が。身体で感じる、日本人のDNAと、そこにある普遍性。

印象的だったことは、

「先生がやらなくてもいい仕事もある」という話。

学校の先生は、普段はもしかしたら人間性を感じにくいかもしれないけれど、ひとりひとりが、実はとても面白くてユニーク。
けれど、日々の業務の多さ、学校というシステムの構造上、個性を出し切れないと。

ゆみさんのお子さんが通う、“ 公立の小学校 ”でのプロジェクトもシェアしてくれました。

それは、小学校の校門前の道に、アートのペインティングをすること。
学校の内と外の“ 間 ”に、シンボルとなるような絵を、子どもたちと描く。
そうすることで、保護者、地域の人、先生、子どもたち・・・人と人をつなぎ、
創造性・芸術と学びをつなぐ。

これは、担任の先生が率先して動いてくれたそうで、
校長へのプレゼンは、ゆみさんがチェックし一緒に資料を作り、当日も一緒に行ってOKもらったそう。
すごい・・・!

プロジェクトのきっかけは、今の担任の先生との出会い、タイミングや流れがあったそうですが、
学校の方針だからと親たちが自分自身をセーブしすぎる必要はないのかもと思えました。
そのまま、自分として関わってもいい。

やりたいのなら、学校側に積極的にコミットすることで、両方にとって恩恵となりうることがある。

また、ゆみさんは、わたしたちのまわりにある豊かなリソースを見逃さない。そこが素敵だと思う。

ある保護者の方の持ち物や車をみて、
「デザイナーですか?」と声をかけたら、「そうです!」とびっくりされたと。(笑)

リソースを発見する力がある。
些細なことにも気づき、すぐに声をかける。タイミングを逃さない。
そして、すぐに仲良くなってしまう。(笑)

そんなふうに、人の人間性、魅力や才能と、
そこにある、望む未来への兆しやチャンスにも気づいていたい。

また、ゆみさんのお話の中で、

「子どもたちは“ 未来 ”というけれど、
子どもたちは、“ 今 ”を生きる、ひとりの市民なんだ」
と言っていた。

以前、夫がオーガニック映画祭に関わっていた時に、
高校生が、オーガニックの事に興味があり、運営に関わりたいと、自ら来てくれたことがありました。

気候変動についてを調べて、自分に何ができるかを考えているという小学生、

星読みを自分が受けたいと、わたしのセッションを受けに来てくれて、
「宇宙についてを学ぶ授業が、小学校に欲しい」と伝えてくれた子、

「学校でやることは、無駄なことが多い。もっと、自分の好奇心がワクワクすることをやりたい」、
と言っていた子も。

子どもたちは、大人が思っているよりも、学校という、社会の“ コミュニティの原型 ”を通して、
問題、課題意識をすでに持っていたり、感じているんだと思う。

子どもたちは、幻想じゃなく、この現実を生きている。


息子の晴は、いま通っている里山の幼稚園で、
自然の中で五感を研ぎ澄ませ、全力で遊ぶ日々。
丈夫な身体で、自分のこころに正直。

彼が、これから小学校に上がり、中高と、様々な環境の中で感じること。

もしかしたら、「学校に行きたくない」と、言う日もあるのかもしれない。

そんな時、彼の中にあること。
苦しいのか、混乱しているのか、つまらないのか・・・。
様々な感情の奥にある本心と、誠実に向き合いたいと思う。

もしかしたら、本心が聴こえて来た時に、
解決策は「学校に行かない」という選択じゃない可能性も、大いにある。

これからもたくさんの体験を、彼と共に観て、共に学びたい。

そして、晴や、子どもたちにとっての学び場が、
学ぶこと、解のないものを自分で思考すること、共に対話すること、閃きを形にすることなど・・・
創造的な“ 喜び ”を感じられる、
ワクワクする場へと変容していくことを、切に願う。

「学びの場が、楽しい!」

そこに意識を合わせていきたい。

様々なことを感じた、教育についての対話の場。

今回は、ゆみさんのフィールドワークをシェアしていただいての場でしたが、また、別の切り口から開催したいと思いました!

参加してくださった方々、
ご飯を担当してくれた亜弥ちゃん、
そして、たくさんの生きた体験をシェアし、
あたたかくホールドしてくださったゆみさん、
ありがとうございました!!!

この記事を書いた人

Sakiko
Sakiko
ひとつまみの希望 主宰 oiwai.life

1990年、鹿児島・薩摩川内市生まれ。高校卒業後、リラクゼーションサロンに勤務。ボディケアを提供するなかで「こんなにも多くの人が疲れているのはなぜだろう?」「人の根源的な癒しは、どうやったら起こるのだろう?」という問いを抱く。

6年間勤めた後「食・暮らし・コミュニティ・社会のシステム」が人に与える影響の探求をはじめ、「人と人とのつながりを大切にする対話法・NVC(非暴力コミュニケーション)」と出会う。
その学びの中で、先住民の叡智をくんだ「 “女性のための集い”・ウーマンズサークル」で起きた癒しとエンパワーに可能性を感じ、霧島市でウーマンズサークルをひらく。

学びの活動は夫婦で共にし、
1週間規模のNVC合宿にも複数携わる。その他、食や暮らしにまつわるワークショップを主催している。

現在、霧島・小浜にある古民家を改修し、「星の家」と名付け、ワークショップの企画や、対話の場、NVCのワークショップを開催している。


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