特別な力がなくても、考えを積み上げることはできる。そこに愛が宿る。

【 特別な力がなくても、考えを積み上げることはできる。そこに愛が宿る。】

鹿児島に来てもうすぐ9年。
それまでの間に、いろんなことを、いろんな人達とさせてもらいながら、生きてきました。

昨年からは、はっきりとした形の組織やチームを組んだり、所属して仕事をするということをほとんど無くして、個人でのお仕事や、プロジェクト型の企画を仲間達とやるのがベースになりました。

その中で、文章を書いたり、ウェブサイトを制作したりといったお仕事をさせてもらうことがだんだんと増え、
自分の活動や表現活動としても、文章やウェブサイトを通して表現をすることが多くなってきました。

ライターとしてもお仕事をさせていただいている中で、自分に適正の高い内容は、
哲学や世界観、
まだ世の中にはっきりと共有されていない感覚や文化だったり、
感覚的にはみんなの胸の中にあったりはするのだけれど、まだ言語化されていない事柄、
が合っているようです。

“言語化”という領域については情熱があって、自分でも日々取り組んでいるし、近々、オンラインのクラスも企画しようと思ったりしています。

正直、何かの情報をバズらせるみたいなことにはあまり適性がないように感じていますが、
昨年から取り組んできた企画に関しては、おおむね定員に近い参加をいただいたり、収益としても成り立つ形で実施することに、ウェブサイト制作やそれにまつわる発信が、それを生み出している手応えがあります。

もちろんそこには、仲間達と一緒にやっていること、共に発信していることがあるのですが、その土台となる発信や、起こしていくことのデザインを手がけていると思っています。

その時にしているのは、
企画や発信そのものも含めて、
どんな世界観を持っているのか、
何を大切にしているのか、
読んでくれる人にどんなことを感じてほしいのか、
その人との間にどんな橋をかけたいのかを、

シンプルに、考えに考えて、言葉にする試みを繰り返すということです。

その中には、思い描いたことができるだけそのまま届くように、
言葉の数やレイアウト、一緒に配置する画像を選ぶことなども含まれていて、
その全体として届けたいイメージが現れるように試みています。

届けようとしていることが、どんな世界観を持っていて、何を大切にしているのか。
曖昧さもあり、なかなか伝わりづらい性質もある中、それが届いていくためには、
ひとつひとつ言葉にしていく他にありません。

誰かに届けようと思ったときに、

その人のことを想像して、
読んでどんな感じがするだろうか、
どうしたら、届けようとすることと相手との間に橋がかかるだろうか、

少しずつ少しずつイメージを言葉にして、

読んでもらいたいと想定している人達が日常でどんなことを感じていて、
僕達が提供しようと思っていることにどんな期待を持ってもらい得るのか、
そして、提供するものを受け取ってもらった先に、その人にどんな変化をもたらして、
それはその人の日常や、これから先の未来にどんな風に役に立つだろうか。

そんなことを一つ一つ考えて、言葉にする他ありません。

そこには、
自分たちの世界観をからだ全部で感じて、
それがどんな響きなのかを体感する、感じるための資質が必要で、
そして、それを言葉として出力する資質も必要です。

読んでほしいと思う人のことを想像して、その人にとって大切なことを自分の中で想像して響かせて感じて、
それを言葉に出来る、その一連の資質も必要です。

感じて、そしてそれを言葉にできること。
感性と、感受性。

そこで役に立つ資質のひとつとして、

僕にとっては、“NVC”(非暴力コミュニケーション:コラボレーションの質を高め、対立も扱える組織・チーム・家族のためのコミュニケーション)が、

自分が感じていること、自分にとって大切なことを体感し、
それに言葉をつけるための“語彙”となるように感じています。
生命を感じ、語るための“言語体系”だと思っています。

そしてもうひとつ大切な資質が、

自分が感じていること・思っていることを、
出来るだけそのまま表現するための“語彙力と文章力”を高めるための、日々の“言語化”の活動。

NVCも、言語化をすることも、
本当に日々の積み重ねで、どちらの資質も最初から高いということはなくて、本当にひとつひとつ、積み上げて積み上げて、高まっていくもののように思っています。

高く積み上がったそれを見ると、
ものすごく遠いものに見えたとしても、
それは、確実にひとつひとつ積み上げられたもので、
“ひとつひとつ積み上げる”というのは、
本当に、誰でもやろうと思ったら、今すぐにでもできることなのだと思っています。

「神は細部に宿る」という言葉があります。

文章であれ、プレゼンテーションであれ、場づくりであれ、
表現のどの部分をとっても、その人の愛が感じられる、
それは文章やレイアウト、画像や絵の表現など、そのどれもで細部まで大切にこだわっていくことから、
その人の愛が伝わっていくのだと思います。

愛のある、やさしい世界をつくっていきたいと願います。

そんな、言葉にするお仕事のひとつとして、
鹿児島を拠点に“自然と共に暮らす木の家”をつくる、“シンケンスタイル”の住まい手さんの取材記事制作に携わらせてもらっています。

ひょんなご縁で、もともとライターとして名乗っていたわけではない僕が関わらせてもらうことになり、
ライティング技術の正確さよりも、その世界観を感じ表現する媒体としての価値を感じていただき、
発信する情報の精緻さを本当に大切にしているシンケンさんのウェブサイトに掲載されることになりました。

シンケンの社員さん・住まい手さんたちと関わらせていただきながら、
自分の身体に響かせ、感じ、そして時間とエネルギーをかけて表現しました。

社員さん仲間からも、「これこそシンケンだ、と思いました」と言ってもらえて。がんばってよかった。

よければ、読んでみてください。

理想の暮らしを探す旅 | シンケンスタイル – 福岡・鹿児島

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(写真は社内のカメラマンの方の撮影です! シンケンの家の美しい写真は基本的にこの方が撮影。被写体も美しいし、切り取り、現像するこの方の表現の美しさも。観ていて気持ちいい。)

この記事を書いた人

Seita
Seita
システムファシリテーター
株式会社musuhi 取締役COO / Chief Dialogue Officer
ひとつまみの希望 主宰
世界と変わるコトバ研究所(NVC インテグラル理論 U理論 つながりを取り戻すワーク システム理論 等を統合的に扱い「私から、世界と変わる」ための研究・実践活動)


東京生まれ。大学時代から環境問題に取り組み、社会人時代に15年続く環境NPOの代表理事を拝命。2011年に鹿児島に移住、対話・ファシリテーションを鹿児島のまちづくり・地域コミュニティの文脈に導入する事業に参画。2017年4月に合同会社むすひを共同創業、「対話を核に組織が文化から変容していく」組織変革プログラムを仲間と運用。現在は「協働の質を高め、チーム・組織の中での対立も扱えるコミュニケーション:NVC」のオンラインスクール・コミュニティ事業や、第一人者たちと日本での展開に取り組む。


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