コミュニティの中心としての助産院でやりたいこと その1:味噌づくり

ようこそ。

助産院をコミュニティの中心としてやっていきたいことのひとつに、味噌づくりがある。

助産院は命が生まれるところ。赤ちゃんやお母さんの母乳の菌もたくさん飛んでいるところ。そんなところでつくった味噌は、ぼくたちの健やかさをサポートしてくれるとてもいい味噌になるはずだ。

味噌づくり自体も、麹という命を育んでいく営みだし、麹がイキイキと育まれていった先に、今度はぼくたちがその命をもらい、またイキイキと生きていく循環が生まれる。

単に食材を作るということ、自分で作ったら安いといったこと以上の、より健やかに生きることや、命の循環の中にいることという視座から味噌づくりをやりたいし、その文脈に助産院はとても適した場所だと思う。


加えて、実際的な面として味噌の魅力を語りたい。

お味噌は、麹が大豆を分解してくれてできた消化しやすいタンパク質が豊富に含まれているし、塩分も10%前後含まれている。どちらも、身体を健やかに維持するためにとても役立つ成分だ。食べ物の性質としても、“陽性”で身体をあたためる働きがある。作業したり疲れているときに、シンプルにお湯に味噌を入れて混ぜた“みそ湯”を飲むのもとてもオススメだ。

もはやぼくたちの日常の中でかなり習慣化しているコーヒーは、食べ物の性質としては“陰性”で、身体を冷やす働きがあるし、カフェインが含まれていることで、短期的には覚醒効果があるけど、長期的には、休みたい身体を酷使して過度に疲れさせてしまう要因になる。

コーヒーの代わりにみそ湯を飲むと、ずっと身体を健やかにしてくれ、集中力や持続力をもたらしてくれるはずだ。

しかもその味噌が、自分で作った味噌ならば、自分の身体の“常在菌”もその中には生きていて、食べた時に自分と近いものだと身体が安心するそうだ。そして、多様な菌に触れ、摂取することを通して、多様な人々や多様な考えも受け止められる性質を備えやすくなる、ということもあると、我が家の味噌の先生の一人である冨田貴史さんが話してくれた。その見方をぼくはとても気に入っている。


だから、みんなで作った味噌を助産院にも寝かせておいて、数ヶ月経った後、助産師さん達の日々を支えるお味噌としてお茶コーナーの一角に存在していたらいいなぁと思い描いている。

この助産院で子どもを産ませてもらった者として、尊い仕事を日々してくれている助産師さん達に、味噌の形ででも貢献できるのは嬉しいことだ。


そして、お産を終えた後にも、助産院はいつでも「また来て!」「おかえり!」とウェルカムでいてくれるのだけど、産んだ側としては何かのきっかけがあるとやっぱり来やすい。お産があれば徹夜をすることも珍しくない助産師さんたちの忙しさを思うとなおさら。

出産の時に大きな手のひらで支えてくれた助産師さん達とまた話せる事は、なんとも心穏やかになることで、お産の嬉しい瞬間を思い出すような時間でもある。

だから折に触れて助産院に行きたいし、思い出深い助産院で、出産経験を持つ仲間を始めとしたいろんな人たちと話せるのは豊かなこと。

その集まれる機会として、ただお話するだけでも十分に素敵な機会だけど、命にまつわることでもある味噌づくりを共にしながら、旧交をあたため、最近はどうしているか、実はこういったことに困っている、これからこういうことをやりたいと思ってる、といったことが話されいくだろう。

それは、出産した側からだけでなく、助産師さんたちの側からも語られることになると思う。出産の際には大きな大きな存在の助産師さんたちも、ぼくたちと同じ社会の中で生きていて、普段の暮らしがあり、職場としての助産院がある。その中では、自分だけではどうにもならないこと、助けてほしいこと、聴いてほしいこともたくさんあるはずだ。

だからぼくは、この機会を助産師さんたちを支えるためにもやりたいと思っている。


味噌は、暮らしの中で日々着実に食べて減っていく。味噌づくりは季節の中でも定期的に必要になる営みだ。

なんと!味噌づくりは、人々が定期的に集まるのにはもってこいの口実になる。

だから、助産院でやりたいことのひとつは、味噌づくりだ。

真剣な私たち。
一緒に味噌を作って、いつでもそこにいる“常在菌”を分かち合った、親しい友人になろう!

敬愛する冨田貴史さんのブログはこちら。知恵に溢れている。
http://takafumitomita.blogspot.com/

それでは、また会いましょう。

この記事を書いた人

Seita
Seita
システムファシリテーター
株式会社musuhi 取締役COO / Chief Dialogue Officer
ひとつまみの希望 主宰
世界と変わるコトバ研究所(NVC インテグラル理論 U理論 つながりを取り戻すワーク システム理論 等を統合的に扱い「私から、世界と変わる」ための研究・実践活動)


東京生まれ。大学時代から環境問題に取り組み、社会人時代に15年続く環境NPOの代表理事を拝命。2011年に鹿児島に移住、対話・ファシリテーションを鹿児島のまちづくり・地域コミュニティの文脈に導入する事業に参画。2017年4月に合同会社むすひを共同創業、「対話を核に組織が文化から変容していく」組織変革プログラムを仲間と運用。現在は「協働の質を高め、チーム・組織の中での対立も扱えるコミュニケーション:NVC」のオンラインスクール・コミュニティ事業や、第一人者たちと日本での展開に取り組む。


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